2010年04月19日

小説の舞台 霧ヶ峰、諏訪

小説の舞台 霧ヶ峰、諏訪
                          初春の霧ヶ峰の夕暮れどき




2ヶ月も前、2月11日の信濃毎日新聞に、「信州を舞台に 著者に聞く」と
いう特集が掲載されていました。
小説の舞台 霧ヶ峰、諏訪


ここ1年の間に信州を舞台に描かれた小説の内、昨年8月の発表以来、
とても話題になった夏川草介さんの『神様のカルテ』と、諏訪・八ヶ岳地
方を舞台に藤田宜永さんが綴った『燃ゆる樹影』の二作品にスポットを
当て、「どうして信州を舞台に選ぶのか、それは作品にどんな効果を生
んでいるのか」などについて記されていました。
小説の舞台 霧ヶ峰、諏訪


お恥ずかしいことに私は両作品を未だ読んでいませんので、内容につ
いて・・、特に『燃ゆる樹影』については予備知識がなかったのですが、
よく知る諏訪市の立石公園や霧ヶ峰が小説の舞台として登場し、著者
の藤田さんにとっても思い入れが深いシーンだ・・とのことで、興味を
持ちました。
小説の舞台 霧ヶ峰、諏訪




2010年2月11日 信濃毎日新聞 11面より
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  昨年8月に刊行された藤田さんの近著「燃ゆる樹影」は、50代の樹
木医沢村と、画廊喫茶を営む40代の美枝子の恋愛を描く。2人が再び
恋に落ちる場面に、諏訪湖の夜景が見える公園を選んだ理由を、藤田
さんはこう語る。
東京のベイエリアの夜景に比べれば、闇を圧倒する力強さはない。
しかし、闇に点在する灯(ともしび)、不規則に繫がる灯は、漁り火の
ように、人の営みを感じさせる温かいものだった。



「落ち着いた夜景だな」
「物足りない?」
「いや。華やいだ夜景には惹かれない。これって歳を取った証拠
かもしれないけど」
私は微笑むと美枝子も頬をゆるめた。照明灯の光を吸って、美枝
子の目が輝いていた。

                        2007.9撮影小説の舞台 霧ヶ峰、諏訪





なるほど・・。綺麗な夜景だとは思っていましたが、そういうふうに考えたことはなかったなぁ。





諏訪湖の夜景のほか、霧ヶ峰のシーンにも思い入れが深い。
藤田さんが4月に訪れた霧ヶ峰は、枯れ草に雪が残る荒涼とした
風景だった。 それに「びびっときた」と、作品の終わり近くで再現
した。



 目の前に拡がる荒野に私は圧倒され、寒さも忘れて、その場に
立ち尽くしていた。 美枝子も私と同じ方向に視線を向けたまま動
かない。

順風満帆とはいかない2人の恋。困難を象徴するかのような風景描写
に、2人の心情が重ねられている。
                        2010.4撮影小説の舞台 霧ヶ峰、諏訪


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小説の中でこの霧ヶ峰が描かれているシーンの時間設定はわかりま
せんが、鳥のさえずりと枯れ草が風に揺れるカサカサという音しか聞
こえない、寒々しい静けさに包まれています。流れている空気は透明
で清涼・・。この季節ならでは、のものです。


風景に想いを重ねて、人生に、生き様に投影してみせる・・。私たちが
普段目にしている景色の中にも、そのようなカットがあるのかも知れま
せん。




新聞の藤田さんのインタビューはこう締められています。
『今は、列車でJR篠ノ井線聖高原駅(東筑摩郡麻績村)付近から見え
る風景が気になっている。「こぢんまりした盆地で信州の懐にいるよう
な感じがする。何かの作品に使いたい」』





その地域の「光 = 文化・歴史・自然・ひと」を心を込めて「観る」のが
観光です。その魅力がたくさんある麻績村を舞台にどのようなストー
リーが描かれるのか・・。ちょっと愉しみです。




【日経トレンディネット 時代の仕掛け人 第42回 作家 藤田宜永に聞く


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Posted by ふ~るん at 14:40│Comments(0)観光・旅行
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