2010年03月22日
記憶にのこるお客さま

一昨日の信濃毎日新聞には、少し考えさせられる記事もあったりしたの
ですが、何よりも驚いたのが半導体大手のローム株式会社の社長交代、
という記事でした。馴染みのない方が多い企業かも知れませんが、それ
はもう間違いなく日本を代表する大企業です。
創業から53年を経て初の社長交代。創業者の佐藤研一郎氏はメディア
などに登場する機会はほとんどなく、今回の社長交代の会見にもメッセ
ージを寄せただけでした。
私の県外の友人は以前に、あることで佐藤社長の送迎を何度か担当し
たことがあり、いつも相当緊張したと言っていましたが、とても穏やかな
物腰の方で、降りる際には必ずお礼の言葉をいただいたものだよ、と言
っていました。
佐藤社長のお名前やロームという企業名を聞くことがあると、友人の話
がよみがえり、そして私もホテル勤務時代に一度だけ送迎を担当したこ
とがある、こちらも日本を代表する家電・ゲーム業界の大手企業S社の、
当時副会長だったM様というお客さまのことを思い出します。
M様がいらっしゃったのは5月の連休でした。この時期の諏訪のあたり
ではまだ山桜が咲いています。そのような話から始まり、季節ごとの魅
力や、この地方の歴史のことなどを、ご迷惑にならないように気をつけ
ながら、説明させていただきました。2泊3日のスケジュールの最終日
はJR塩尻駅までお送りしました。
その時は合わせて7.8名様でのご旅行でした。私の運転するマイクロ
バスから皆さんが降り、私もようやく肩の荷がおりたかなと、安堵して
帰路に着こうとバスを動かしました。 助手席の窓越しに、M様は「どう
もありがとう」というような優しい眼差しでお辞儀をして、そしてしばらく
の間、私の運転するマイクロバスを見送ってくださいました。これには
本当に感動しましたね・・。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とは、まさ
しくこのようなお姿を表しているんだな、と感じ入りました。

ちょっとした親切や感謝の言葉というものは、それをした、口にした本
人よりも、してもらった側のほうが覚えているものです。ホテル勤務の
時は、適度の緊張感と強い責任感について学ぶ機会に恵まれました。
そして、佐藤社長やM様のような、ビジネスの頂を知っていらっしゃる
方々に共通している何かを垣間見ることができたのも貴重でした。
私は生粋のホテルマンではないけれど、そのスピリット・・は持ってい
たいと思います。ホテルをはじめとするサービス産業は、お客さまに
よって育てられる部分が多くあります。自身がそれに値するレベルで
い続けられることが大切だと改めて思います。
Posted by ふ~るん at 15:00│Comments(0)
│観光・旅行
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