2009年12月15日
「文化振興による地域活性化」
地域活性システム論 特別講演会「文化振興による地域活性化」
■写真左:中嶋聞多 法政大学大学院政策創造研究科 教授
■中央:株式会社ジャパン・アーツ 取締役副会長
財団法人ジェスク音楽文化振興会 専務理事 関田正幸 氏
■右:財団法人ジェスク音楽文化振興会 主任 井上宝子 氏
信州産学官連携機構の地域ブランド分野を担う組織である信州大学の
地域ブランド・オフィスの活動のひとつ「観光シナジー研究会」。 これ迄
に4回の研究会や、その他にご案内いただいた講演会や勉強会などに
参加させていただいていますが、先週金曜日には、同大学の大学院の
講座 「地域活性システム論」における講演が公開講座的に開かれると
いうことでご案内をいただき、興味のあるテーマでしたので参加しました。
今回の講演は、今夏の開催で30回目を迎えたという歴史ある音楽祭、
鹿児島県霧島市「霧島国際音楽会」の主催団体のひとつでもある、財
団法人ジェスク音楽振興会から、専務理事でいらっしゃる関田正幸さ
んと、同振興会の主任 井上宝子さんを講師にお迎えしての会でした。
この「霧島国際音楽祭」。第30回の今年は、7月24日から8月9日迄
の延べ17日間に亘り開催され、全公演数は46、その内有料公演数
は10、観客数は14,047人、招聘したアーティストは49名+2団体、
そしてこの音楽祭たる所以のひとつ〔高度な音楽教育〕プログラムの
受講生は153名で、その内海外からの受講生が24名、聴講生の数
は255名、とのことです。
直接的な経済効果としては、関係者・参加者の開催期間中の滞在に
掛かる費用や、市外からの観光客の宿泊代・飲食代・交通利用代な
どの約4,000万円ということで、決して高い効果とは言えないものの、
「地域活性化に繫がる」という点においては、大いに貢献しており、市
だけでなく県や県の機関も共同事業とするなど、音楽という知的文化
を地域活性に結び付けている、ということが高く評価されている証拠
だと思われます。
ひとつのイベントを通じて、地域をまとめる、協力し合う、一流の文化
に触れる機会を提供する、そして継続する、というのは、正しく成功の
サイクルが成立しているということです。 これは本当に素晴らしく、そ
して羨ましいことであり、霧島市独自の【知的財産】が構築されている
ということに繫がるわけです。
【公式サイト】
もちろん、著名な音楽家の方々が集まり、そしてコンサートが開かれ
るわけですから、観光の振興にも大いに寄与しますよね。その宣伝
効果を数値化したら、それは相当な額になると思います。
新聞記事などにおいても観光振興を図る様々な取り組みが取り上げ
られていますし、文化による振興についても知ることができます。本、
「ブックツーリズム」をテーマに掲げた高遠町の取り組みは、今年を
代表する文化による地域振興の例でしょう。
ハードウェアに捉われすぎない観光、そして地域の活性化。
ヒントはあるものです。身の回りにも。それに気づくかどうか、そして
発展させる発想力があるかどうか、周りの人を巻き込むことができる
情熱のあるリーダーがいるかどうか・・
上田市ご出身の関田さんからも温かく、そして力強いアドバイスを
頂戴しました。(財)ジェスク音楽振興会は㈱ジャパン・アーツを母体
としており、所属アーティストの方々が紹介されている冊子を見たら
その豪華さに目を瞠りました・・。
「中村紘子」さん、「千住真理子」さん、「米良美一」さん、「錦織 健」さん・・
こ、これは鳥肌ものだ・・\(◎o◎)/!
講演終了後の質問時間には、霧島国際音楽会の運営で得た、蓄積
されたノウハウを用いて、音楽を通じた地域活性化に取り組む自治体
や関連団体などからのオファーに対応していないのですか?と、お訊
ねしましたところ、やはり各地の音楽祭などに協力なさっていらっしゃ
いました。出演者のコーディネートも含めて、本当に強み、ですよね。
車山高原では過去に、服部克久さんの「音楽畑」コンサートを19年に
亘り開催した実績があり、私もスタッフとして運営の一部に携わりまし
た。夏の車山の代名詞のひとつでもあった同コンサート。休止してから
5年近く経ったでしょうか・・。「音楽の奏原in車山高原」という、私が担
当しているイベントは、その名残り(?)でもあります。いつの日かまた、
オーケストラの演奏を、夏の爽やかな高原で聴きたいですねぇ。。
ま、それはともかく、観光・地域振興における文化的要素の重要さを
改めて認識した講演会でした。中嶋先生からも「的を得たいい質問で
したよ」とお褒め(?)の言葉をいただきまして・・(^^ゞアリガトウゴザイマス
【関連リンク】
■信州産学官連携機構 ■財団法人ジェスク音楽文化振興会
Posted by ふ~るん at 16:05│Comments(0)
│観光・旅行
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。