福嶋浩彦さん講演会 事業仕分け①

ふ~るん

2010年01月27日 12:30




24日の日曜日は、松本市中央公民館Mウイングで開催されました
「福嶋浩彦氏講演会」を聴講してきました。以前から参加している松
本政経塾も今回の講演会の実行委員会にジョイントして、とのこと。
講演会の受付も政経塾は別になっておりまして、北原塾長がにこや
かに(?)迎えてくれました。 新年の挨拶をしたあと早速、「この後の
懇親会、出てくれますよね☆」と。 えっ、えぇ出ますよ・・出ますよ^^;




会場はほぼ満員の状態。期待の高さを感じます。NHK長野放送局
取材クルーが来ていらっしゃったようです。
 



福嶋浩彦さんは1995年、38歳の若さで千葉県我孫子市の市長に
初当選なさり、2007年1月までの3期12年をお勤めになりました。
先の行政刷新会議 事業仕分けにおいては、第1ワーキンググルー
プの評価者として参加なさった方です。現在は、中央学院大学、東
洋大学大学院の教授として、また、内閣府の政策参与といった重職
に就いておられます。





講演の第1部は、まずその「事業仕分け」。事業仕分け人の方々が
ばっさばっさと「廃止です」「縮小です」と、結論付ける場面ばかりが
繰り返し報道され、どちらかというと私は少しでも無駄遣いはやめて
くれ、でも、スーパーコンピューターのような、技術立国として影響が
ありそうな事業の予算まで削減することはないのでは・・と、今から
思えばまさしくテレビ報道の思うつぼ、にはまっていた一人でしたが、
福嶋さんのお話を聴いて愕然。正しく伝えられていないことの怖さを
知りました。警戒しなくてはなりません。政治をワイドショー化してし
まう、特にテレビ報道には。




【事業仕分けの意義】
①国の事業(予算)を「見える」化し、国民の視点で「税」が真に有効
  に必要なものへ使われているか確かめ、行政全体を再構築してい
  くための道具
②国の事業(予算)に対する政府の説明責任のハードルを高める



は、「右肩上がり(成長)の社会システムの抜本的な見直しに向け
て、『何をやめるか』について、国民の視点で決める」こと、です。
これから待ち受ける「人口減少社会」。人口が増え続けてきた日本が
初めて直面する問題であり、従来の社会システムの構造のまま突入
すれば、社会システムそのものがダメになってしまう恐れがあります。
福嶋さんは「次の新しいものを創り出すためにも、何をやめるのかを
(国民の視点・市民の視点・納税者の視点で)決めることが重要」と、
説明してくださいました。
については先日参加した、ある会議の場において、この事業仕分
けで「廃止」判定を受けた事業に関係している方が、「あんな説明で
は評価者と充分論議することができないよ」と、事業の説明をした官
僚(?)の方の説明について苦笑していましたが、「説明責任のハード
ルを高くする」ことによって、関係機関の方々が、その事業の重要性
や果たしている役割、存在理由などについてどれほど認識している
のか、本気で取り組んでいるのか、現場の状況を把握しているのか、
表現・・というか露呈することになったのではないでしょうか・・。






【事業仕分けの原則】
③「完全に公開の場で」 ・国民、マスコミ、全ての人に公開すること
  ・公開の場で出された結論を変更するには、国民全体を納得させ
  る論理が必要
④「外部の目を入れる」 ・事業の現場の実態をよく知る人(利害関係
  者以外)がメンバーに入ること
⑤「理念を議論する場にしない」 ・事業の寄って立つ理念を議論する
  のではなく、理念を実現するためにその事業が必要か、税金が有
  効に使われているかを議論する



については、皆さんご存知の通り。喧々諤々と討論する場は完全
に公開され、撮影・録画・録音、はたまたインターネット中継もOK。
当初は物珍しさで人が集まっているだけ・・と思われていた見学者は
減るどころか増える一方。福嶋さんも驚かれたようです。小さなお子
さんを抱っこしたお母さん、学校帰りの高校生の姿もありました、と。
事業仕分けを模したゲームをつくるのはどうかと思いますが、政治へ
の関心を大いに高めるきっかけにはなりましたよね。「事業仕分けは
『提言』であり『(最終)決定』ではない」のです
※最終決定するのは内閣
については、「民間評価者がいるから 『事業仕分け』 である」と。
確かに、ずっと継続してきた事業をその当事者が自ら、そして根本的
に見直すことは難しいと思います。
については、これもまたテレビによって随分と歪められて報道され
てしまったようです。象徴的なのは、第3ワーキンググループの仕分
け人の参議院議員の蓮舫さんと、独立行政法人国立女性教育会館
理事長でいらっしゃる神田道子さんとの討論の場面。まあ、確かに
その〔話し方〕云々は見た方それぞれの感じ方ですから何とも言え
ませんが、テレビの視聴者には、蓮舫さんが神田さんの問い掛けに
対して聴く耳持たず、という印象が強かったと思います。福嶋さんの
説明をお聴きすると、その背景がよく判ります。事業仕分けは理念を
話し合う場ではないと。神田さんが「私の話を・・」と仰っていた内容は
冒頭に各省庁の担当者が既にしていたとのこと。そして福嶋さんは、
事業仕分けの基本は「全てをまず肯定した上で議論すること」ですと
説明してくださいました。確かに今回の事業仕分けは、男女共同参画
社会の形成をはじめとする、とても大切な問題そのものについて話し
合う場ではありませんものね。




長文になってしまいましたので、その②に続きます・・。







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